火蛍るの墓・・・壕へもどると、節子は死んでいた。
2008年08月22日/ 大切なこと

野坂昭如著「火蛍るの墓」より引用
節子はなに思ったか、手近の石ころ二つ拾い、 「兄ちゃん、どうぞ」 「なんや」 「ご飯や、お茶も欲しい?」
急に元気よく 「それからおからたいたんもあげましょうね」 ままごとのように、土くれ石をならべ、 「どうぞ、おあがり、食べへんのん?」
八月二十二日昼、貯水池で泳いで壕へもどると、節子は死んでいた。骨と皮にやせおとろえ、そのまえ二、三日は声も立てず、大きなアリが頭にはい上がってもはらい落とすこともせず、ただ夜の、ホタルの光を目で追うらしく、 「上いった下いったあっとまった」 低くつぶやき、
(・・・清太の妹、節子、八月二十二日西宮満地谷横穴防空壕の中で死に、・・・)
「火蛍るの墓」ではなくて「戦争童話集」でしたが、十年以上前は夏休みごとに、NHKBS 2でアニメでよく放送していました。
泣き泣き、読み聞かせした憶えもあります。
昭和二十年、八月十五日
・・・で始まる話に登場するのは、子どもや、動物や捕虜で、弱く淋しい。
戦争が終わったことも、気が付かないように、力尽きて死んでいくように思いました。
私自身はこの2年、娘在学の鳥取で、たくさんのホタルを観ることができました。
昨年は樗谿公園で数千匹のホタル、今年はすぐ近所で何十匹~百匹位の舞がすごくきれいでした。
静かな水辺で、せせらぎを聴き、ホタルの舞を見ながら散歩していると、
しぜんと神聖な気持ちになって、静かに話しをしていました。
「火蛍るの墓」の清太と節子も、ホタルと一緒にいたんだなぁと、今さらながら思いました。
*写真は・・・下記「フリー写真素材」をいただきました。
フリー写真ブログもってって! http://mottette.blog81.fc2.com/
ホタル http://mottette.blog81.fc2.com/blog-entry-535.html
Posted by おがししょ at 23:55│Comments(4)
この記事へのコメント
その場面、西宮の満地谷のニテコ池での場面ですね。
Posted by bonin at 2008年08月23日 14:43
夜ふけに火が燃えつき、骨を拾うにも暗がりで見当つかず、そのまま穴のかたわらに横たわり、周囲はおびただしいホタルの群れ、だがもう清太は手に取ることもせず、これやったら節子さびしくないやろ、ホタルがついてるもんなあ、上ったり下ったりついと横へ走ったり、もうじきホタルもおらんようになるけど、ホタルといっしょに天国へ行き。
とあり、23日夜が明けると「山を降り、」「そのまま壕にはもどらなかった。」
ようです。
「プレイボーイの子守唄」には、
貯水池と、そこから流れ出る小川があり、夜になると無数のホタルが飛びかって、草のしげみに手をのばせば、いくらでもとれる。
とあり、同じように妹恵子を回想しています。
ホタルがいっぱいいたんですね・・・
とあり、23日夜が明けると「山を降り、」「そのまま壕にはもどらなかった。」
ようです。
「プレイボーイの子守唄」には、
貯水池と、そこから流れ出る小川があり、夜になると無数のホタルが飛びかって、草のしげみに手をのばせば、いくらでもとれる。
とあり、同じように妹恵子を回想しています。
ホタルがいっぱいいたんですね・・・
Posted by おがししょ1 at 2008年08月23日 21:04
今、火蛍るの墓、実写版みてきました。
はかなくも、毎日暮らす、庶民(労働者)です。
微力ですが名古屋より応援してます。
リンクお願いします。
はかなくも、毎日暮らす、庶民(労働者)です。
微力ですが名古屋より応援してます。
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Posted by best1 at 2008年08月30日 18:30
早速の公開ありがとうございます。
今後とも、よろしくおねがいします。
http://bestone.della-nagoya.jp/e36983.html
今後とも、よろしくおねがいします。
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Posted by best1 at 2008年08月30日 19:31
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