ガラパゴスがこわれる 世界遺産の島が、泣いている。
2011年02月06日/ 大切なこと
http://www.natures-planet.com/shop/book/pt.htm
(NATURE's PLANET FUJIWARA KOichi WORKSHOP より掲載許諾いただきました)

ガラパゴスにおける人口と観光客数の推移
http://www.j-galapagos.org/info/ns/ns070627whd.html
(日本ガラパゴスの会 より掲載許諾いただきました)
・・・・・前略・・・・・
しかし、ガラパゴス特別法で規制された内容の具体化が進まず、上のグラフからも分かるように、観光客と島民の数は増加の一途を辿り、これに伴い、外来種の侵入・帰化はますます進み、増える漁民らによる周辺海域での不法漁業は留まることをしらず、諸島の希有な自然は徐々に失われています。
「危機遺産リスト入り、その背景と今後」 より引用
人、人、人・・・・・・。
世界自然遺産にガラパゴスが指定されてから、
たくさんの観光客が訪れるようになりました。
雄大な自然や変わった生きものたちを見る
ネイチャーウォッチングを楽しむ人々です。
1979年におよそ1万2000人だった観光客が、
2006年には14万9000人にも膨れ上がりました。
観光客を見込んで、
いろいろな商売が始まります。
ホテル、レストラン、お土産店・・・・・・。
そこで働く人の暮らす家ができ、
町が過密状態になっていきます。
生活のために、食料品店、雑貨店などもできました。
1975年、3000人ほどだったガラパゴスの人口が、
30年足らずで10倍近くにもなってしまいました。
クルマやバイクも多くなり、港も整備されます。
人が増えた分、生きものたちに対する悪影響も増えてきました。
「ガラパゴスがこわれる」 藤原幸一著 ポプラ社出版 2007 より引用
一昨年7月の皆既日食では、
小笠原も日本中から人々が押し寄せ
島民たちの生活は一変した。
夏休みの帰省や上京のための船の予約も取れない。
「おがさわら丸皆既日食ツアー」も、たしか・・・一般枠200人、村民枠30人の募集抽選。
前回の1988年「おがさわら丸皆既日食ツアー」は、申し込んで簡単に行かれた。
すばらしい皆既日食を体験し、次は2009年と20年来楽しみにしていたのに、今回はまさかの落選。
「村民申込者100人以上なのに、30人は少なすぎると思います」
つい苦情を口にしてしまいました。
「日本国民数の当選率と比べれば、村民の当選率は高いです」
1億人以上から200人当選、村民約2500人から30人当選、
そう比べれば、そうかもしれないけど、
・ ・ ・ 外側から見ると、村民って、その程度に思われているんだ ・ ・ ・
心に渇いた隙間風が吹いて、寂しい気持ちでいっぱいになった。
最近たびたび行われる「世界遺産レクチャー」でも、
「ウミガメの産卵は、大型観光バスで浜の脇に乗りつけて、1頭の母ガメを取り囲んでの見物スタイルになってしまった」 「以前は観光シーズンが過ぎれば静かになったが、盆と正月が一緒に来たような状態で、忙しい天手古舞いが長期間続いて大変」
屋久島や知床の人からは、地元の疲弊した心情が窺い知れました。
「東洋のガラパゴス 小笠原」は、小さな小さな島々。
世界遺産だと世界人口60億人、
それと比べれば少数の島民の気持ちなんて、一溜まりもない。
あっという間に吹き飛ばされてしまうだろうな・・・
正直なところ、不安な気持ちでいっぱいになっている。
参照:
ガラパゴスの危機を日本でも聞く (ホントの沖縄ビーチ情報)
http://beaches.at.webry.info/200806/article_2.html
ガラパゴス自然保護基金 >危機的状況のガラパゴス
http://www.galapagos-cfj.com/crisis/crisis.html
Posted by おがししょ at 11:33│Comments(1)
この記事へのコメント
大変、興味深い、内容でした。
ガラパゴスについては、ナショナリジオや、
国内のネイチャー雑誌などで、記事をよく見かけ、
かなり以前から知っていたのですが、
最近、こんなひどい状況なっているとは、
知りませんでした。
ニュージーランドにある
「世界一の散歩道」と言われる
「ミルフォードトラック」は、1日の入場者を
60人と制限し保護しています。
国や地域が何らかの保護を考えるべきなのに、
豊かな地域では無いため、
地域住民の収入を優先させた結果だと思われます。
豊か国、日本。
世界に誇れる、富士山が、
世界遺産に登録されないのは、
「ゴミの多さ」
と聴きました。
私は、富士山を初め、
「屋久島」、「知床」、「尾瀬沼」
などの景勝地は、入場規制をするべきだと思います。
観光収入も大事だと思いますが、後々のことを考えると、
規制は必要な気が。
ガラパゴスについては、ナショナリジオや、
国内のネイチャー雑誌などで、記事をよく見かけ、
かなり以前から知っていたのですが、
最近、こんなひどい状況なっているとは、
知りませんでした。
ニュージーランドにある
「世界一の散歩道」と言われる
「ミルフォードトラック」は、1日の入場者を
60人と制限し保護しています。
国や地域が何らかの保護を考えるべきなのに、
豊かな地域では無いため、
地域住民の収入を優先させた結果だと思われます。
豊か国、日本。
世界に誇れる、富士山が、
世界遺産に登録されないのは、
「ゴミの多さ」
と聴きました。
私は、富士山を初め、
「屋久島」、「知床」、「尾瀬沼」
などの景勝地は、入場規制をするべきだと思います。
観光収入も大事だと思いますが、後々のことを考えると、
規制は必要な気が。
Posted by マイティ at 2011年02月08日 17:49
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